公正証書遺言

平成27年1月1日から改正された相続税がスタートしました。基礎控除の引き下や税率アップにより相続対策についての関心が高まっています。しかし相続税問題だけではなく親族で遺産をめぐって争う、いわゆる「争族」となってしまうケースが増えています。その一つの対策として遺言書を残すことで争いを防ぐことができます。なかでも「公正証書遺言」がベストチョイスといえます。公正証書遺言は公証人が作成し公証役場に保管することから問題が発生することはまずありません。 詳しい内容は何なりと相談ください。



遺言書とは

遺言は、自分の財産を誰に、どのように相続させたいかを書き記したものです。現在では、「相続人や家族に余計な面倒をかけないため」に、また「ご自分の想いを伝える」ために作成される方が増えています。確かに、遺言は法律上、作成する義務があるわけではありません。
しかし,遺言書がないケースでは法定相続人による遺産分割協議が必要になりますし、その協議をまとめるのも大変な作業になります。更に相続人が多数いる場合は無用な争いの火種になりかねません。第三者である専門家が関与することで手続きをスムーズかつ確実に進めることが可能になります。



公正証書遺言

公正証書遺言では、遺言者の真意を確保するため、2人以上の証人の立ち会ってもらいます。次に遺言者が述べた遺言の内容は、公証人によって筆記されます。そして、公証人が筆記したものを遺言者と証人に読み上げたり、閲覧させます。そして遺言者本人と証人が、筆記したものを確認した後、署名押印をします。最後に、公証人が手続きに従って作成した旨を付記して、署名、押印します。
作成された公正証書遺言の原本は、公証人によって保管されますので、紛失や偽造される心配はありません。そして、遺言者には原本と同一の効力を有する正本が渡されます。また、万一、正本を紛失しても再交付を受けることができます。



公証人手数料

公正証書遺言を作ってもらうためには、公証人の手数料がかかります。手数料は相続財産の額によって変わりますが、財産が多くなるほど高くなります。各相続人(受遺者)が取得する財産額ごとに手数料を計算し各人の合計額が作成手数料となります。
※遺言の目的金額(相続財産額)の総額が1億円以下の時、作成手数料に1万1千円加算します。
目安としては、1億円の遺産を3人の相続人に均等に与える場合は、約10万円の手数料が必要ということになります。


手数料一覧

 財産額  手数料
~100万以下  5千円
100万超~200万以下  7千円
200万超~500万以下  1万1千円
500万超~1,000万以下   1万7千円
1,000万超~3,000万以下   2万3千円
3,000万超~5,000万以下   2万9千円
5,000万超~1億以下   4万3千円
1億超~3億以下  4万3千円+1万3千円
 3億超~10億以下  9万5千円+1万1千円
 10億超~  24万9千円+8千円

※1億超の財産に+される金額は超過額が5,000万円を超えるごとにそれぞれ加算されます


必要書類

  • 遺言者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
  • 遺言者と相続人との続柄がわかる戸籍謄本
  • 相続人以外の方に遺贈する場合はその方の住民票
  • 相続又は遺贈させる財産が不動産の場合は、登記簿謄本と固定資産納税通知書
  • 動産の場合はそれらを記載したメモ
  • 預貯金の場合は金融機関名、支店名、口座番号
  • 証人2名の住所、氏名、職業、生年月日