風俗営業許可

風俗営業とは、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」という法律に定められた業種の営業をいいます。風俗というと、一般的にはソープランドやデリヘルといったイメージですが、これらは正確には風俗営業ではなく、法律上は性風俗関連特殊営業となり明確に区別されています。 風俗営業は1号営業から8号営業までの種類があります。これらの中でも、クラブ・ラウンジ・キャバクラなどの2号営業店=接待飲食店や、マージャン・パチンコ店などの7号営業、ゲームセンターなどの8号営業が代表的です。これらの風俗営業は本来は原則として禁止されており、申請をして許可を受けた者のみが営業を許されます。その為、公安委員会からの許可を得ずにこれらの営業を開始した場合、処罰の対象となるのはもちろんですが、その後数年間許可が取れなくなる可能性があります。

一方、酒類提供飲食店とは、設備を設けて客に飲食させる営業のうち、バー、酒場その他客に酒類を提供して営む営業で、営業の常態として通常主食と認められる食事を提供して営むものを除いた営業のことです。深夜酒類提供飲食店では客の接待ができません。風俗営業における「接待」とは異性同士の大人のためのサービスです。接待が過剰になって性的サービスに移行すると、規制の度合いを強める必要があります。接待の定義について風営法では「歓楽的雰囲気をかもし出す方法により客をもてなすこと」となっています。



風俗営業

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」第2条では下記の8種類に分けられています。
風俗営業の種類(法第2条第1項)
  • 〔1号〕 設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客の「接待」をして客に飲食をさせる営業
  • 〔2号〕 客の「接待」をして」をして客に遊興又は飲食をさせる営業
  • 〔3号〕 客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業
  • 〔4号〕 設備を設けて客にダンスをさせる営業(政令で定める資格等、一定の営業を除く)
  • 〔5号〕 客に飲食をさせる営業で、照度を5ルクス以上10ルクス以下として営業するもの
  • 〔6号〕 客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり広さが5㎡以下である客席を設けて営むもの
  • 〔7号〕 客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
  • 〔8号〕 スロットマシーン・テレビゲーム機等を設置し、客に遊戯

性風俗関連特殊営業

性風俗関連特殊営業については、風俗営業各号の「許可制」と異なり、公安委員会に対する「届出制」となっています。しかしながら、店舗型性風俗特殊営業については、営業予定場所店舗の半径200mの区域内に保護対象施設(学校、図書館、児童福祉施設、病院、診療所等)が存在しますと、営業はできません。実質的には、禁止区域となります。この点では、風俗営業よりも厳しく制限されております。従いまして、店舗の予定場所について、賃貸契約をする前に十分な実地調査が必要となります。ソープ・ファッションヘルス・ラブホテル等を開業しようとする場合は、営業開始の10日前までに公安委員会に営業開始届出をしなければなりません 届出をする際に様々な書類が必要となり、風俗営業と同等の審査基準がある為、現地調査等が必要となってきます。
尚、無店舗型性風俗特殊営業では、この「制限地域」の規制は受けません。

深夜酒類提供飲食店

深夜酒類提供飲食店とは、深夜(午前0時から日の出時まで)において、お客に酒類を提供して営業する飲食店のことを言います。 スナック・居酒屋・バーなどもっぱらアルコール類をお客に提供するようなお店を言います。 深夜に酒類を提供する飲食店でも、レストラン、ラーメン店等のように、通常主食と認められる食事を提供して、補助的にお酒を提供しているようなお店は該当しません。
風俗営業のお店との違いは、以下の3点です。
  • 許可は必要でなく、届出制となっている。
  • ※ 受付の窓口は管轄の警察署になります。
  • 午前0時以降(地域によっては午前1時以降)の深夜に営業できる。
  • ※ 風俗営業は、午前0時以降(地域によっては午前1時以降)は営業できない。
  • 接客はできるが、「接待」はできない。
  • ※ 接待をするお店は風俗営業許可の1号営業、または2号営業に該当致しますので、深夜酒類提供飲食店の届出を出すことができません。


許可制と届出制

風俗営業を行うには、公安委員会に「許可」が必要になり、性風俗特殊営業や 深夜酒類提供飲食店の場合は、公安委員会に対して「届出」が必要になります。なお、受付の窓口は管轄の警察署になります。

    風俗営業許可
店舗の立地調査
店舗の内部調査
必要書類の収集
図面・申請書作成
飲食店許可申請(保健所)
飲食店許可取得
許可申請書(警察署)
風俗環境浄化協会検査
風俗営業許可

    性風俗関連特殊営業届出
店舗の立地調査
店舗の内部調査
必要書類の収集
図面・書類作成
警察署に届出
許可証の交付

    深夜酒類提供飲食店届出
店舗の立地調査
店舗の内部調査
必要書類の収集
図面・書類作成
飲食店許可申請(保健所)
警察署に届出
許可証の交付

必要書類


風俗営業
  • 風俗許可申請書
  • 住民票(法人の場合は役員の方全員と管理者)
  • 身分証明書(法人:役員、管理者)
  • 登記されていないことの証明書
  • 誓約書(役員用・個人用・管理者用)
  • 建物使用承諾書
  • 建物賃貸借契約書の写し
  • 飲食店営業許可証の写し
  • 営業所平面図
  • 営業所面積求積図
  • 照明及び音響設備配置図
  • 料金表・メニュー表
  • 写真2枚(縦3㎝、横2.4㎝)管理者のもの
  • 定款の写し (法人)

性風俗関連特殊営業(店舗型)
  • 店舗型性風俗特殊営業営業開始届出書
  • 住民票(本籍記載のもの)
  • 営業の方法
  • 営業所からの地域略図
  • 営業所平面図
  • 営業所面積求積図
  • 照明及び音響設備配置図
  • 建物使用承諾書
  • 建物賃貸借契約書の写し
  • 登記簿謄本(法人)
  • 定款の写し(法人)

深夜酒類提供飲食店
  • 営業開始届出書
  • 申請者の住民票(本籍地の記載のあるもの)
  • ※法人の場合はさらに定款、登記事項証明書
  • 営業の方法
  • 営業所平面図
  • 営業所面積求積図
  • 照明及び音響設備図
  • 飲食店営業許可証の写し
  
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